Opalpearlmoon

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何を赦せというのだろう ~「銀のメサイア」感想~

 
 
GWはみなさまいかがお過ごしですか?
今年は飛び石連休になりましたね。中には盛大に11連休!という方もいらっしゃるかと思います。いいなあ、素敵!
え、私ですか、カレンダー通りでございます。でも休みはホッとしますね。好きな家事料理、苦手な家事掃除の私は、この機会に集中的に掃除をしたいなと考えています。
 
さて、前回の感想からテンション冷めやらぬ今、鉄は熱いうちに打て!!というわけでビーズログ版「銀のメサイア」感想です。
目を通す前に「銀のメサイア」を読み直しましたし、準備はばっちり。
いつにもまして荒れておりますので、「銀のメサイア」感動した、愛している!という方はブラウザバックしていただけるようお願いいたします。
ほら、衝撃が強すぎると逆にテンション高くなることってあるじゃないですか……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第二波第三波がある、試練がある、ときいていました「銀のメサイア」。戦々恐々としながら読み進めてまいりました。最後の最後、油断していました……。
では恒例の箇条書きツッコミから。
だんだん取り繕えなくなってきたような気がします()
 
 
・聖樹くんと宏のコイバナ。なんだろうね、これ……。
・そーいやリーザとはこんなノリだったっけ。
・紫の便せんってわかってないな、そこはクリーム色が深緑色だろう。
・夢美が潔癖だの高貴だの高潔だの褒め称えるたびに違和感通り越して笑えるようになってきた。
・これは「ヤダ聖樹くんって案外普通の男の子なんだ(ポッ)」的な王道展開のための布石なんですかね。だったらまだ救いがあるような気がする。
・ごまかせばいい、はカットしないんだ。てっきりここは改変するとばかり思ってたのに。
・読み込んでいた銀バラの文章が登場するたびに混乱する。パッチワーク感がすごい。
・竜の騎士アーナンドさんはきてくれた。
・三人の反応おかしくない?別に気まずいことなんてないのに。
・あれ、どういうこと?ディアランのことだけ忘れたってことなの。えええ。
・だ れ だ お ま え は。インドらしさが欠片もない。クリシュナだけじゃなくてアルジュナもだった。
 変えてあるなと思ったら、これ当主の総称でしたっけ。地味に細かい。
・「どうしてこんな気持ちになるんだろう」って、そりゃまだ好きで吹っ切れてないからでしょ。なんでわからないのかわからない。
・ここさあ……。無理キスして告白もした自分のことを好きな男にそれを訊くのかと。忘れてないし、夢美が酷いのが確定してしまったよ。
・いいかげん宏君が可哀想になってきた。
・アーシャの遺体描写が惨い。そこまで書く必要があるの。
・クリシュナの最後の部分は珍しくあっと思いました。
・聖樹くん心臓から血を飲んだのか……。
・光坂君とはなんだったのか。
・はああっ?!冷泉寺さんになんてこと言わせてるの?!
・冷泉寺さんはそんなこといわない。
・ほんとになんだろうね、これ……。
・こ れ は ひ ど い。最後の最後に爆弾がキター。
・銀薔薇は鈴影さんとユメミちゃんだけじゃなくて、ヒロシ光坂クン冷泉寺さんに対しても満遍なく酷いね!
・聖樹くんって別に罪だと思ってないよね。なんだかなー、もう……。
 鈴影さんの名セリフを聖樹くんに軽々しく言わせないでよ、の領域まで達した気がする、私。
・え、銀のメサイア?!口ずさんでいますか、何か。
 ブックレットと比較してみますと、ひらがなだったところがところどころ漢字に変更されていますね。
「のぼり始めて」「なげおろす」などなど。 
もちろんオリジナルは「オレ」ですよ「オレ」!
「永遠に印そう」→「永遠に記そう」に変更。誤植かもしれませんが、私は「印そう」のほうが好き。
 「永遠に記そう この胸に」のあとに 「光にうもれ 瞳をとざし 記憶もあやうい 甘やかなとき」と入ります。
 思わず添削しちゃったよ、もう!  
 
さっそくシャワールームでのコイバナに遠い目になってしまったわけですが。
出だしの改変パートに構えるようになってまいりました。
夢美パートになってホッとするってなによ()
 
まずはあっ、と思ったところから。
そう、今回初めて良いと思ったところがあったのですよ。
クリシュナが亡くなる前の会話です。
「そうか、じゃあ、俺も死のう」
このクリシュナの台詞をアルジュナは「クリシュナ・シンではなく、シヴァラージに戻る」という意味でとらえているのに対し、聖樹くんはクリシュナの言葉をちゃんととらえて、それに答えている。クリシュナも聖樹くんもそんなアルジュナをしりながら、あえて訂正せずに気遣う、というこのシーン。
ひとつの台詞を二通りの意味にとらえさせる、という高度な小説の技法がでてきたのは初めてじゃないでしょうか。この会話の掛け違いは面白いと思いました。
アルジュナのとらえ方のほうが無理がある、あれほど愛していたのにクリシュナの真意をとらえられなかったアルジュナってどうよ、兄>>>妹が際立ってアーシャ可哀想、とかいいたいことはありますけどね。
クリシュナは、彼の絶望の深淵を想うと、仕方ないのかなとも思います。あれほど重いキャラはなかなかいないから。
 
 
今回はほんとうにつぎはぎ感がひどかった。
いや毎回なんですけど、今回は作中だけでなく、過去作品との矛盾やつぎはぎ、違和感が著しかった!
銀バラのオリジナルの部分と加筆改変部分の乖離があって同一人物とは思えないくらい。
まず夢美。ドキドキの件。これ天使のカンタレラの後遺症だけにするなら、なくてもよかったんじゃないの。理由を見失ってない?
聖樹くんへの気持ちの件もさあ、それって単に振りきれてなくてまだ好きだからじゃないの。なにがわからないの?簡単なことじゃない。そんなことで悩まれてもこちらは白けるだけ。カンタレラで忘れたのはディアランのことだけで、他の恋は全部覚えているのだし、すぐに気づくことじゃない。馬鹿じゃないの、としか思えないヒロインってどうなの。
宏。普通に聖樹くんとコイバナする彼は到底「レオンの変わりか!?」と息巻いていた熱い彼と同じとは思えない。この部分銀薔薇にもありましたよね。なにその軽さ。
聖樹くん。ヒロシとフレンドリーにコイバナしている彼と鈴影さん部分は完璧に別人物。あと四誓願なのだけど、銀薔薇潰すつもりなんだから、そう気にしてないよね。何が罪なんだろう。
光坂君。こんな扱いにするなら、「月光のピアス」で夢美への恋をカットした通りにしておけばよかったんじゃないでしょうか。「オンディーヌの聖衣」でみせた恋心はなかったことになったわけですね。
「今回、すっごく恐かったもん。あんなふうになるんだったら、恋なんかしたくない。恋人なんて、いらないよ。女ともだちでいいや、って感じ」
なにを見てたのよ、光坂君……。
全方向にむけてひどい台詞と思う。
冷泉寺さん。肉体関係のある友だちもあり、だなんて冷泉寺さんが言うわけないでしょう……。これは銀バラの冷泉寺さんが、じゃなくて銀薔薇の冷泉寺さんも、言わないよ。聖樹くんの不誠実に傷つき傷つくとわかっていながら立野至のところへむかった、宇宙中が二人の国だ、なんて乙女なことを言う冷泉寺さんがそんなこと思うわけないじゃないですか。これは本当にショックでした。
 
そして極めつけは最後ですよ、最後。なんなの、あれ。
なんであの三人が話し合って聖樹くんと夢美に気遣ってあげないといけないの。そんな義理ないじゃない。とくに冷泉寺さんなんてなんで夢美を気遣うの。夢美に好意を持つエピソードが追加されていたら別ですよ、いつの間にそんなに親しくなってるのよ。
で、聖樹くんにカウンセリングをする三人。なにこれ。ほんとなにこれ。
本来なら直接的に書くことじゃなくて、エピソードの中から読者が読みとるものですよね。それをそのまんま台詞として言わせてるなんて、手抜きもいいところじゃないですか。
わかりやすく聖樹くんと夢美の見解を説明してくれました。
いうか、いつの間にかに、こんなことになってたの、あの三人。
最終回近くの漫画で、いきなり周囲の人間関係が整理されることってありますよね。片思いしていたはずのキャラが他のキャラといい感じになったり、いきなりライバルが主人公の後押しをはじめたり、都合よくあきらめたり。
まさにそんな感じ。
あと宏くんさ、貴女と総帥じゃなくなったら足かせなく恋人になれるとは何故思わない。
 
宏くん光坂くん冷泉寺さんに応援されて憂いなく銀のメサイア
 
そこには切実さも縋る気持ちも背徳の歓びも覚悟もなく、なにを赦せというのだろう。
救世主である必要がどこにある?
 
これって書いていておかしいって思わないのかな。だって、かつての親友リーザのように宏とつきあう聖樹くん、みたいにちゃんとキャラクターらしくえがいているところもあるのに、どうしてこうなるの。
構成も校正も十分にできる時間があったじゃないですか。
あらかじめ決まっているラストにむけて動かされている感がありありとしてつらいです。
まっさらな記憶で、少女の私が読んだら面白いと思ったのかな……。
 
 
銀バラのキャラが三文芝居をやらされているのを見ているようないたたまれない気持ちになります。
ああ、聖樹くんを内心いろいろ思いながら戸惑いつつ演じてる総帥に萌えればいいのか、って、萌えられるかぁ!(机をたたく音)
 
 
明日は休みですし、「銀のメサイア」きいて寝るっっ!