Opalpearlmoon

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ミッドサマー・イブに薔薇の花

 
6月にはいったということで、今回は夏至についてふれてみたいと思います。
最も昼が長く夜が短い、正午の太陽の高さも一年で一番高くなる夏至の日、今年は6月21日になります。
休日というわけでもなく、とくに行事があるわけではなく、日本ではかなり地味な印象の夏至ですが、ヨーロッパではイースターやメイデイと同じように春と夏の到来を祝うお祭り、ミッドサマーフェアがおこなわれます。
特に春の遅い北欧でさかんで、スウェーデン夏至祭が有名です。
夏至の前日、ミッドサマー・イブは最も超自然的な力が高まり、妖精界との扉が開くといわれ、メイデイ、ハロウィンと同じく妖精に出会える日といいます。有名なシェイクスピアの「真夏の夜の夢」もミッドサマー・イブのお話だとか。
なんだかわくわくしませんか?!
そんなミッドサマー・イブのお祭り。
どのようなものなのでしょうか。
 
緑色は金色だ。
火は濡れている。
未来は告げられ、
ドラゴンに出会う。
 
ミッドサマー・イブのお祭りで歌われる歌です。
なんとも謎めいていて暗号のような歌ですね。緑のゲオルギオスをたたえよう、みたいな。こういうの私大好きです。
まず「緑色は金色だ」とはどのような意味なのでしょう。
春に萌え出た新緑が春の強い陽に輝いて金色にみえることをあらわしているそうです。
冬の終わりと春の喜びを祝うお祭りらしい、美しい言葉です。
次に「火は濡れている」。
常識的に考えて火は濡れようがありませんよね。
これは火をともしたろうそくを浮かべた小船を水の上に浮かべるミッドサマー・イブの習慣をあらわしています。この小船のそこに願い事を書きろうそくをたてます。戸外なら池、屋内なら水の張った大きな桶などに流し、向こう岸へ上手く辿り着いたら願い事がかなうといわれているそうです。
そして「未来は告げられ」。
超自然的な力が高まるといわれているこの日は、最も占いの精度があがる日でもあり、ミッドサマー・イブには様々な占いを行います。
まさに年に一度の占いのための日なのです!
前述した「濡れた火」の儀式(こう書くと一気にうさんくさくなる・笑)もそうですが、有名なものとして、薔薇の花占い。
誰でも一度はやったことがあるであろう、花弁を一枚ずつとりながら「愛している、愛してない」っていうあれは、ミッドサマー・イブに行うものなんだそうです。
しらなかった……。
ちょうど薔薇の美しい季節ですし、ぴったりですね。
ちなみに時計回りで「あの人はわたしを愛している」から始めるのが正式らしいです。
面白いのは、「デスティニー・ケーキ」。
簡単にいうと、しぼりだしドーナツのこと。
にわとこやプラムのジャムを入れた生地を絞り袋に入れ、いろいろな形になるよう揚げ油の中に落としてドーナツにし、蜂蜜をまぶしたものです。
これを大皿に乗せ、みえないよう布をかけて客人の前にだします。そして布の下からドーナツをとり、それがなんのかたちをしているかで未来を読みとるのです。
アルファベットにみえたのならそれは未来の恋人のイニシャルかもしれませんし、家のようにみえたら近々引っ越しをするのかもしれません。コインにみえたら宝くじが当たるのかも!?
未来を予想し運命を占うから「デスティニー・ケーキ」なのです。
これってかなり面白い遊びですよね。パーティーでやったらわいわい盛り上がりそう。
美味しそうだし簡単に作ることができるので、これはちょっとやってみたい。
最後は「ドラゴンに出会う」
これはイースターの時にとりあげた「聖ゲオルギウスのドラゴン退治」の劇のことです。
もともとはミッドサマー・イブに演じるものだったそうです。
ミッドサマー・イブは聖ヨハネの日を祝うという一面もあるのですが、そこでなぜ聖ゲオルギウスなのかはわかりません。
ミッドサマー・イブ自体、古代宗教とキリスト教が混じり合った祭りですから、ドラゴンはキリスト教が取り込んだ古代宗教を意味していてそれを「倒す」ことが重要なのかもしれません。
もしくは、冬を象徴するドラゴンを打ち倒すことで春が来るよう願う意味があるのかもしれないです。
 
当時、ひとみ作品にはまっていろいろな行事に興味を持つようになって調べるようになりました。その中でも特に惹かれたのがミッドサマー・イブでした。
夢見がちなお年頃だったから、ミステリアスでとてもロマンティックに思えたのです。
基本的にどの作品でも物語の導入部分で使われるだけで、本編に深く関わってくることはないのですが、それでも外国の不思議な習慣やお祭り、カタカナの言葉()はそれだけでワクワクさせてくれるものだったのです。
今回も興味深く思いながら調べていました。
結局好きなんですよね~。自分の根幹になってる。
最近では宗教行事や習慣などを調べるのは趣味の領域になってまいりました。
ひとみ先生は発刊される月にあわせて物語を書いていたところがありましたので、「ばら物語」や「天使のカンタレラ」が6月発売だったのならミッドサマー・イブが取り上げられたのかな?と思いました。デスティニーケーキなんて佐藤家にぴったりじゃないですか。
どこかで使ってほしかったなぁ、ミッドサマー・イブ。
とりあえず緑色は金色だ、の歌を銀バラメンバーがあれこれいいながら推理するというのは思い浮かびました。
 
6月は梅雨もはじまりなんとなく気が重いのですが、そんな気分を吹き飛ばすためにも今年は夏至の日に少しだけ現実から離れて占いやおまじないに興じてみようかと思います。