オレの胸でよければ
星影のブレスで長らく謎だった台詞があります。
火狩邸に潜入させたヒロシと光坂くんを待つリムジンの中でのシーンです。
「じゃあ、眠らせてあげようか」
その瞳の中に、うっとりするほどつややかで妖しげな輝きが浮かび上がり、それがしだいに強く大きくなって、あたしを包んだ。
「オレの胸でよければ……」
―星影のブレスより―
この台詞ってどういう意図だったのでしょう…?
子どもの頃はよくわからなくて困惑していました。
鈴影さんが甘やかな瞳をするのはユメミをドキッとさせて変身させるという目的があるときのみです。
ヒロシも光坂くんもいないこの場でユメミをときめかせる必要はありません。
しかも、かなりストレートに色っぽいことをいっています。それまでは口説くようなことは口にしたことはありませんでした。
正直 なんでいまそんなこと言ってるの? と思っていました。
冗談だということはわかります。
この場合、鈴影さんはユメミを自宅に戻らせようとしています。ですからこの冗談から家に帰るよう仕向けるつもりでいたのでしょう。
ドッキン!
「えっ…どういう意味ですかっ!」
鈴影さんはくすくすと笑って言った。
「じゃあ家でゆっくり眠るんだ。いいね」
そう有無を言わさず言いきると、運転手さんに指示をした。
ああ冗談だったのね。そうよね、おかしいと思ったのよ。
あたしはどっと疲れを感じて、鈴影さんの提案どおり一度うちに帰ることにしたの。
こんな感じですかね~
だとしてもヒロシたちが帰ってこない非常事態です。そんな時にムードだしてる場合でしょうか。
そしてなぜその台詞でユメミがおとなしく家に帰ると判断したのか。これがさっぱりわからないのです。 ユメミはうっとりぽーっとなって言うことをきくキャラではないですし、むしろ誤魔化さないでください!と反発しそう。
どういう風に繋げるつもりだったの総帥…!!私にはまったくわからないよっ
あと、そこでうっとりと身を委ねられたらどうするつもりだったんだ!とつっこまずにはいられないのです(笑)
この時のユメミは火狩さんに恋をしている。自分が本気でそういう発言をするとは思われていない、なによりそんな状況じゃないと踏んでのことだとは思うんです。
でもね、ときめくでしょ、ドキドキしちゃうでしょ、意識しちゃうでしょうこれって!(笑)
カミルスや美馬さんのように「なーんていったら本気にする?」なんて言うキャラではないですからね。誤魔化すことはできません。
止まらないピアスの点滅と潤んだ瞳をみせられて冷静でいられない、墓穴を掘る総帥ってのも見たかった気がします。
…まあ本編でもそんなような感じになってはいるんですけどね(笑)
考えてみればブレスはオンディーヌの前の作品です。メタ的にいってこの時点では四誓願の設定はまだなかったとも考えられます。
となると本気だった可能性もあるかも!
あー、ないですね。それはない(あっさり)
でも半分は本気だったのかも、なんてね。
鈴影さんは奥深い人です。
そしていっつも気になるのは運転手さんの反応です。あれ絶対聞こえてるでしょと思わずにはいられません(笑)
5.12 タイトルを変更しました