My Love's Program
イメージCDレヴューも大詰めになってまいりました。
今回はひとみ先生7枚目、ご自身のプロデュース4枚目のCD「藤本ひとみ恋愛プログラム」をレヴューしたいと思います。
全11曲の中でインスト曲は2曲だけ、あとは全てヴォーカル曲となっています。
ライナーノーツのイラストは裏表紙の「王都の将アレク」の表紙イラストだけで、全体にひとみ先生のフォトがつかわれており、その点でも今までのCDとは雰囲気が異なっています。
ひとみ先生ご自身も歌手として参加されていますし、ひとみ作品のアルバムというより、ひとみ先生のアルバムとなっております。
歌手は影山ヒロノブ＆AIRBLANCA。
小説を歌詞に仕立て直したといっていいほど忠実な詩と、時に甘く、激しく、格好いい曲がマッチしていて聴きごたえのあるアルバムになっています。
１ 銀のメサイア
「許せ メサイア オレの罪
君に恋告げる 伝説の夜」
「きらめく光ふりそそぎ
オレたちの罪を運びさる
千年伝説 すべて許す今宵
君とふたりで この愛の中
いつまでも立つ 銀のメサイア」
ユメミと銀のバラ騎士団シリーズから同タイトル。
イントロのパイプオルガン風の音が壮大なロックテイストな曲。
今までの作品にも言えるんですけど、何故だか銀バラってアニソンっぽいんですよね。
「銀のメサイア」はシリアスな展開になってきた後期オープニングって感じです。
（よくわからない上にマニアックな例えですいません）
わりと珍しい、鈴影目線だったりします。
２ 君との季節
「チラムの林 エメラルドの木々
夜の稲妻 シドニーの海
朱に染まる クレタの家々
ファイナリスト 夢みたコート」
旅立ちの前に別れた君を想う彼の歌。可愛らしく優しいイメージの歌です。
小説をイメージした歌詞ではなく、オリジナルの歌だと思うのですが、どうも具体的なんですよね。
シドニーの海、ファイナリスト、とか…。
もしかしたら私が知らないだけで「君との季節」、又はイメージした小説があるのかもしれません。
３ 恋愛エチュード
「うっとりするほど 妖しげに愛そう
君とのひととき ボクのハピネス
恋の陶酔 今満ちてくる
この世で一番 君が好きだよ」
角川文庫から発売されたファッション界シリーズに同タイトルの作品があります。
ミステリアスでうっとりするほど艶っぽい大人のバラード。
コバルトの作品に比べると大人っぽい作品だったと思います。
４ Best Luck
「あなたにおめでとう
あなたにおめでとう
あなたの勝利におめでとう
Best wishes Best of luck
Best wishes Best of luck
I hope you’ll be very happy」
好きな子に恋の仲介を頼まれた彼の歌。
彼女の恋は無事実り、彼はその彼女の笑顔を見てさよならを言う、ちょっと切ない歌詞ですね。
ポップで明るい曲調が爽やかで青春という感じです。
これの作品もオリジナルの歌だと思います。
５ 王女アストライア
新潮文庫テーヌフォレーヌシリーズから「王女アストライア」をイメージしたインスト曲です。
が古代マケドニアの広野と神話の世界を感じる神秘的で瑞々しい曲です。
６ 恋愛ノクターン
「どうしようもなく すれちがい
愛は時々 憎しみに変わる
こんなにも ひかれ合いながら
傷つけ たがいを こわしていく」
新花織高校恋愛サスペンスシリーズから同タイトル。
甘く熱っぽい、吐息のかかるような切ない曲。色っぽくてドキッとしてしまいます。
美馬さんだあ……
７ マンハッタンに抱かれて
「ニューヨーク あなたを見失った街
自由の風 大人のうた
迷ってるボク 見つけておくれ」
ユリナシリーズの同名タイトル。
お洒落でポップなノリのよい曲で、ちょっと切ない歌詞の割に爽やかで楽しい曲。
影山さんの声に一番合っているような気がします。
８ 天使のカンタレラ
「心の中を 風が吹きすぎ
不思議に優しい香りを残す
それが何かを思い出したい
天使が盗んだ 私の記憶」
ユメミと銀のバラ騎士団シリーズから同タイトル。
最初と最後にユメミ目線のスロー、途中はディアラン目線のロックと変わる面白い作りの一曲です。
5分でわかる天使のカンタレラというくらい密度の濃い曲です。
９ 一度だけセレナーデ
「言ってはいけない言葉 酔ってはいけない幸せ」
「これでもう会わずにおこう
これでもう思い切ろう
それが初めての約束 君とオレとのセレナーデ」
新花織高校恋愛サスペンスシリーズから同タイトル。
ピアノの旋律が切なくて美しいバラードです。染み入るように胸に響きます。
恋を告げたシーンが、そしてその後の別れのシーンが目に浮かぶようです。
１０ 王都の将アレク
テーヌフォレーヌシリーズ「王都の将アレク」をイメージしたインスト曲。
ロマンティックでどこか甘い、けれど力強い曲。
アストライアがアレクを護ると決意した、溢れる勇気をかんじる一曲です。
１１ Program for You
「もうどのくらい たつのかな
ときめきをこめて
きらめくあなたを
見つめた時から
心の中にいくつもいくつも
あなたの面ざし重ねあわせて
私の恋のprogram
ひとりでつくる こんな夜」
恋した人を思い浮かべて恋の成就を願う彼女の歌。
ひとみ先生が歌ってらっしゃいます。
一曲一曲の密度が濃くて、一冊一冊同タイトルの小説を読んだような感覚におちいります。
インスト二曲は気に入っていて、ブログを書くときによく聴いています。
後は「銀のメサイア」。これはですねー、鈴影さんだと思うとノリがよすぎてどうしようかと戸惑うんですよ、ファンとしては(笑)でも結構癖になって、お風呂とかで「ゆーるせっ めっさいあー おーれーのーつみー」と歌っています(笑)
CDレヴューを書いていて、もっと音楽に詳しければニュアンスや私の感想だけではなく、もっと具体的に伝えられるのになと歯がゆく思っています。ああ、表現力がほしい……
