Opalpearlmoon

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光輝なる清廉の杜に佇む翠猫の騎士

 
光坂亜輝。
15歳。北高一年生、サッカー部補欠。
スイミングクラブにも所属する、輝くような金色の髪が印象的な美少年。
ヨーロッパの人形のように可愛らしい、初々しく純粋な男の子。
弱気なところもあるけれどそれは堅実であるともいえます。勝算のない無茶はただの無謀ですから。
 
「ボクはね、強くなりたい。自分の中に力と自信とを育てて、自分を誇れるようになりたいんだ。
 夢って、希望のことだと思うよ」(夢ボックスより)
 
こんな風に語る彼の原動力は、ユメミへの想いだったと思います。
身体が弱く童顔で内気だった彼は、きっとまわりから可愛い可愛いわれて過ごしてきたのだと思います。実際性格も純粋でいい子だからしきついことをいわれたことなんてなかったんじゃないかな。
そんな彼がユメミに出逢った。
初対面で有無を言わさず怪我の治療をしてその理由を聞いたかと思えば「ウジウジするんじゃない!」なんて発破をかけられ、笑い飛ばすようになぐさめたユメミ。
これは相当な衝撃だったと思います。まさに異文化コミュニケーション、こんな考え方があったんだ!って感じ。「受け入れてくれる」ユメミに惹かれるわけです。
昔は光坂クンがユメミを好きになる理由が弱いな~って思ってたんですけど、今読むとこれは惚れるわ、と思います。
余談ですがこれって鈴影さんと全く同じパターンなんですよね。罪深いわあ、ユメミちゃん……
 
そして迷い傷ついたりしながらもユメミに好意を伝え続けていきます。しかし本人にはまったく相手にされていないという……
ユメミは世話を焼くのが好きですが実は甘えたい頼りたいと思っていて、光坂クンはユメミの世話焼きなところが好きで甘えてしまうんですから、そりゃあかけ違うわな、と思います。
あれですよ、「月光のピアス」で女王様みたいに傅かれたかった、大切にされたかったっていってたんだから、それを覚えとかないといけなかったんですよ。で、早々と少林寺拳法を披露してたらギャップで落ちてたかも知れないのに!!光坂クンは正攻法ばっかりだったからなあ……。
そしてこうもいえると思う。光坂クンの純粋さと優しさは真の意味で強さであるのに、ユメミがそこに気づくにはまだ幼かったのではないかと。
どちらにしても二人の間にヒロシと鈴影さんがいた訳ですから、難しかったかな……うーん。
 
光坂クンのように少女のような容姿の可愛らしい男の子というのは初めてだったとおもいます。
中性的な美少年というキャラはいましたが、「いじらしくて愛らしいまもってあげたくなる年下の男の子」というのは光坂クンが初出ですね。ヒロシや鈴影さんはある意味お馴染みのキャラ造形なので、そういう意味では気合の入ったキャラともいえます。
純粋でまっすぐで優しい男の子。
しかし、彼の魅力はそれだけではありません。何気に二面性がありますよね…。
何食わぬ顔してユメミの膝に座る猫の光坂クンや耳にキスする猫の光坂クン。どーゆーつもりだと吊り下げだっこしながら問い詰めたいところです()
光坂クンはいち早くユメミの想いに気づいていたけど、最後まで好きでいたのも本当だと思う。
しかも片想いでもいいというわけじゃなくて、本気で両想いを願っていたと私は思うのです。
きっとチェイカ―以後もユメミのこと好きなんじゃないかな。そういうしなやかなしたたかさも気に入っています。
 
私は、ひとみ先生の表お気に入りがヒロシだったとするならば、裏お気に入りは光坂クンだったのではないかと考えていた時期がありました。
お金持ちの令息、少女のように可愛らしい美少年、霊感が強い、繊細、水泳が得意、サッカー選手としても将来性あり、フランス語と英語ができる、ピアノが得意(CD「ひとみ夢ランド」にてピアノを弾いている)、少林寺拳法黒帯なので格闘もOK、と文武芸術に優れたハイスペックです。
ひとみ先生は気に入っているキャラには設定を盛る傾向があると思っています。
さらにCD「クリスマスキス」ではキャラクターが聖書の1文を朗読するというコーナーで鈴影シャルル美馬の三大美少年に並んで光坂クンが選ばれています(「星降る聖夜に愛をこめて」参照)
そして光坂クンは作品のテーマとなる言葉をいうことが多かった。作者が一番言いたいことを喋らせるというのは特に意味のあることだと思います。
本編ではどうしても薄くなってしまいがちな光坂クンだからこその配慮なのかもしれませんけど、どうでしょう……?
 
光坂クンといえばこの言葉。
 
「ただのあこがれだって、ボクだったら、せいいっぱいあこがれるよ!自分を忘れてしまうぐらい強く、真剣にあこがれる。あこがれるってそういうことだよ。相手のことも知らないなんて、そんなのって、いいかげんだ!」
                                              月光のピアス より
 
この言葉を大切にしています。
リアル当時、あこがれは恋より弱い気持ちとしか思っていませんでした。まったくユメミのいう通りなんでおかしいの?と思っていたので光坂クンの言葉は衝撃でした。
「せいいっぱいあこがれる」ですよ?!恋人になるために頑張るのならわかります。そうではなくて見返りのないあこがれをせいいっぱいするんですよ、なんて純粋なの!!
相当影響されたと思う。鈴影さんにそりゃもう真剣にあこがれていましたもの()
そして時が流れ現在、ユメミのいうことが実感をもってわかるようになりました。大人になると自分に直接関係のないことで真剣になることってなかなかないですよね。仕事や家族や自分のことで精いっぱいで、疲れるし、面倒くさいし、上澄みだけを楽しめばいいって思ってしまう。
だからこそ純粋で強いこの言葉がまぶしくて、あらためて心を打たれたのです。
好きなことに真剣になろう、真摯に向き合おう。そう思ったんです。
あおくさいですかね()でも私がブログを始めるきっかけのひとつは光坂クンのこの言葉でした。
 
この言葉は光坂クンがどういう性格か端的にあらわし、彼の魅力を示していると思うのです。
こんな風に一生懸命で純粋な言葉をいう、光坂クンが好きです。