Opalpearlmoon

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ユメミちゃんお誕生日おめでとう!!

 
 
いよいよやってまいりました。
本日915日は「ユメミと銀のバラ騎士団」シリーズの主人公、佐藤夢美の誕生日です。

ユメミちゃん、お誕生日おめでとう

ブログを始めてから2回目のユメミちゃんの誕生日。
この記念すべき日をお祝いできることを嬉しく思っています。


80
年代、コバルト文庫は少女向けレーベルだけあって
主人公は読者と同じ年頃の少女、中・高・大生が主人公の小説がメインでした。
吸血鬼女子大生、超お嬢さま高校生、一人旅女子高生、超能力女子高生と個性豊かなヒロインの中で一際異彩を放っていたのが『女子高生主婦』のユメミちゃん。

……みなさん、主婦ですよ、主婦。
女子高生主婦ってすごいインパクトのある言葉ですよね。
少女ならお母さんを思い浮かべるであろう、学生からもっとも遠い言葉ですよ、主婦って。
相反するにも程がある()
主婦とはいっても結婚をしているわけではなく、家庭において家事全般、いわゆる「主婦業」をうけおっているというだけなのですけどね。

ヒロインが既婚者というのは流石にニッチ。
この時代、結婚をしている高校生のお話が流行っていて、ドラマや小説などではありましたが、少女小説では少なかったように思います。

しかも、母親がわりに家庭を切り盛りするヒロインという場合、家庭的、とか、おっとりしていて優しい、とか、女性らしい女の子というプラスのイメージになる場合が多いのに、逞しい、図太い、いい加減という乙女に相応しくない言葉がずらり。
可愛らしい新婚さん的な意味ではなくおばちゃん的な意味で主婦って、少女小説の主人公としては画期的な設定だと思います。

ひとみ先生はなぜユメミちゃんをそのような設定にしたのでしょう。

まず、斬新な設定にして読者の興味を引きつけるという意味があったと思います。
字面にインパクトがありますもの、気になって思わず手に取ってしまいます。
しかしそれ以上に、主婦という職業を経験させることにより、幅広い考え方を持たせたかったのではないでしょうか。
高校生を主人公とした場合、表現できることには限界があります。
思春期は瑞々しく純粋な反面、未成熟のかたまりなのですから、大人からみると幼く理解しがたいところがあります。
かといって変に老成させてしまい、若者の皮を被った中年にみえてしまうのも困りもの。
そこで主婦設定にして大人にもまれ経験を積んだということで、学生では持ちにくい視野の広さや考え方を持たせると同時に、そのことに自然なリアリティを持たせたのだと思います。
マリナちゃんもそうですよね。
社会人であるマリナちゃんは、ただの学生よりかは人生経験がある。
それが17歳にしては柔軟な考え方を持っていることの理由となって、自然と受け入れることができるわけです。
社会人、主婦、母親、成人女性であったひとみ先生にとっても、ガラスの十代より自分に近い価値観をだせる(性格が近いという訳ではなく、大人としての価値観という意味です)キャラの方が書きやすかったというのもあると思います。
思春期特有のキラキラとしたところって、歳が離れれば離れるほど書くのに気力がいるようになるんですよね……。

良くも悪くも直角な思春期の思考回路に、ユメミちゃんの語るゆるいカーブな価値観は新しく魅力的にうつりました。
それはひとみ先生の狙い通りであり、彼女が女子高生主婦としてえがかれた意味だと思います。

ユメミちゃんお誕生日おめでとう!
 
幸せでありますように。
 


昨年はユメミちゃんのお誕生日企画をできなくて忸怩たる思いをしたのですが、今年もなんだかきつい感じ。
……頑張ります