Opalpearlmoon

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銀バラのファンにお勧めしたい二冊。

 
銀バラファンと一口にいってもいろいろ。
作家買いをしていて他の作品も読んでいた方、作品買いで作家買いはしてなかったという方。
私はご覧の通り(笑)作家買いをしていましたが、作品買いの方の方が多かったはず。
もし、再中毒して他のシリーズにも興味を持った、というならば、お勧めしたいのが
 
まんが家マリナシリーズ「愛いっぱいのミステリー」
星苑学園恋愛リポート「星と霜のメッセージ」
 
この二冊です。
 
両作品とも銀バラが発表される以前、87年と88年に書かれた作品で、銀バラの萌芽を感じさせる作品です。
「愛いっぱいのミステリー」には、「月光のピアス」の総帥とユメミの幸せ談議の元になった、というよりそのものの会話が登場します。
名家の当主である美女丸とヒロインのマリナの会話で、死ぬことは怖くない断言する美女丸にマリナが生きていることは楽しいことだ、と話すのです。
 
「おフクロの遺言どおり、オレは今まで弾正藤一郎宗景静香として、ふさわしく生きてきた。それにふさわしく死んでやるさ、いつでもな」
  ~中略~
「あんたってわりと頭が固いのね。オール、オア、ナッシングの世界なんて、もう古いわよ」
 
                            愛いっぱいのミステリー
                       
 
そして「愛いっぱいのミステリー」と「月光のピアス」は共に「名家の当主の命を救い、かけられた呪いを解く話」であり、お話の構造も似ています。
私はひとみ先生は「愛いっぱいのミステリー」のこの部分を膨らませて、銀バラを創作したのではないかと考えています。
 
「星と霜のメッセージ」はキャラクターの配置がよく似ています。
父子家庭のヒロイン山田愛・佐藤夢美、手のかかる幼なじみだった麻生章・高天宏、愛の憧れの完璧の人空木達郎・鈴影聖樹、ボーイッシュでクールな美人、プリンスこと王子裕美・冷泉寺貴緒。
お話のテーマや流れは異なっていますが、キャラの立て方や配置の仕方に銀バラの面影を見ることができます。
光坂クンはいないですけどね、その代わり金髪で女の子みたいなハーフの少年、三田姿朗が登場します。
 
両作品とも、今回再読して気づいたんですよね。
「愛いっぱいのミステリー」は好きで何回も読んでいたのに気がつかなかったんですよね~。
まったく関連付けることをしなかった。
美女丸総帥と一緒のこと言ってるじゃん、と新鮮に驚いてしまいました。凄く遅いです。
「星と霜のメッセージ」は素敵な学園生活、憧れと恋、自立をえがいた作品でテーマは異なっていますが、なんというか、もしヒロシルートだったらこうなってた、と言う感じ。
共に銀バラのルーツと言いますか、影響を与えた作品だと思います。
源流を振り返ってみるのも興味深いと思います。
 
作品を書くごとに連鎖し影響し合って新しい作品が生まれていく。
そんな創作の過程が垣間見えたようで面白いと思いました。