Opalpearlmoon

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総帥の帰還

 
ユメミと銀のバラ騎士団が20年ぶりに私たちのもとへ帰ってきます。
 
ユメミと銀のバラ騎士団シリーズが最後に発刊されたのは19936月。
以後コバルト誌で特集が組まれることはありましたが続刊はありませんでした。
「シャルルに捧げる夜想曲」にレオンハルトは登場しますが、それは「シャル想のレオンハルト」であり  「銀バラの鈴影さん」とはまた少し違います。
 
何年たっても続刊はなく、大人になりゆく私はもう出版されることはないと理解しました。
それは仕方のないことだと。
私自身他の作品にはまったり興味が移ったりもしましたしね。
 
「失われるものは、どんなにがんばっても失われてしまうものなのだ」
 
私は大人になり、少女時代の思い出の一つになりました。
 
しかし、銀のバラ騎士団復活の朗報を聞いた時の浮かれっぷりといったら!
まるで世界が変わったかのように見違えるほど美しく感じ、幸せでした。
自分でもびっくりするくらい嬉しかったのです。
 
諦め忘れ、大人になったつもりでも、私の中の少女はずっと「銀バラの鈴影さん」を待っていたのだと思います。
ユメミと共にロッジの窓辺に座り、その帰りを待ち侘びていたのです。
  
彼は美しい髪を肩に揺らして、涼しげな瞳に希望と未来を宿してロッジの扉を開けるでしょう。
 
きっと、微笑んで。
 
 
総帥のご帰還だ。 祝砲をあげよ、喜びの歌を謳え――