Opalpearlmoon

Yahoo!ブログから移転しました。

私はあなたほど孤独な魂をしらない


わたしはあなたほど壮絶に孤独な魂を知らない。
 
 
おさないころ笑いあい、木陰で休み、水切りをしたあなたは無邪気で眩しかった。
 
お母さまと小母さまはバタ付きのパンとスコーン、木苺のジャムでお茶をし、わたしたちのために冷たいソーダ水を用意してくださった。
わたしたちの夏の遊びは幸せとおなじ言葉だった。
 
雪舞う季節になるとボクの国は世界で一番美しくなるんだと誇らしげに言い、暖炉のまえで小母さまと一緒に暖かい飲み物を用意してくれた。
 
お母さまははちみつをたっぷりといれてくださったけど、シナモンの入った大人の飲み物はあまり好きではなかっわ。
でも少し顔をしかめて嬉しそうに飲むあなたはとても幸せそうでわたしはそれが好きだった。
わたしたちの冬の休暇は喜びとおなじ言葉だった。
 
あなたはいつのころかわたしよりもっと早くに大人になり、微笑みを覚え遠くを見るようになった。
 
あなたは眩暈がするほど遠くなり、わたしは目眩がするほどあなたに惹かれた。
 
あなたはどんどん変わっていった。あなたの孤独は会う度に闇を深め壮絶なものになった。
 
孤独はあなたが選んだもの。わたしはそれを知ってしまった。
 
あなたが孤独とは縁がなかったころを知っているから、わたしは……
 

わたしはあなたほど壮絶に孤独な魂を知らない。